元気な体を作る
シュタイナーは、0~7歳までは、まず土台となる体を作ることが大切だと言っています。
豊かな感情や、思考力はたくさん体を動かし、経験し、自分の好きな事を見つけて集中することで得られます。それが、自分を好きになり、周りの大人を信頼することにもつながっています。その為に、各クラスとも発達に応じた動きを見通して思い切り体を動かして遊ぶことを大切にしています。
あわせて、体にとって何が大切か、例えばどんな食べ物が良いのか、お風呂がなぜ良いのかなどの知識を積極的に子どもに伝えるようにしています。
- 毎日沐浴をする→自律神経を整える
- バレエシューズを履く→土踏まずを作る
- 草履をはく→足の指を鍛える・地面を踏みしめる力を作る
- 里仁の食へのこだわり→根菜を多く食べる、出汁を丁寧にとる
- ハイハイをたくさんする→体幹を鍛える
遊びに集中する
各クラスにはコーナーの設定があります。このコーナーには大切な目的があります。
子ども一人ひとりが自分で選択し、集中して遊び込むスペースを確保する事です。
集中力は指導して伸びるものではありません。乳幼児の頃から遊びの中で自ら育んでいくものです。コーナーで遊ぶことで自然に培われていくものなので、保育者は集中している時には遮ったり、声をかけたりせず、ゆったりと見守るようにします。
もし遊び方にとまどっていたり、違った遊び方になったりしている時は、強要せずに保育者自らが遊んでみせることで、自分たちで遊ぶきっかけを作るようにします。保育者は見守るだけでなく援助者ということを念頭に、子ども達が遊ぶガイド役に徹するようにします。
- コーナー設定(3~4ヶ月ごとに設定を変える)
- チョイスボード→自分で遊びを選択する
- 手先、指先を使う遊びを取り入れる→発達段階にあった玩具を揃える
- 0歳児での人形遊び(後半)→お世話遊び、再現遊び
丁寧に生活する
モンテッソーリの教育の特徴は「日常生活の練習」を大切にしていることです。
これは、子どもにとって生活の一つ一つが学び、特に乳幼児期では生活そのものが遊びということです。つまり、生活の場面を再現することはとても楽しい遊びになります。
例えば、ままごと遊びの時には、テーブルに並べて終わりではなく、どう切る?味付けは?と母親が毎日やっていることを細かく再現することが楽しいのです。
そうやって再現する遊びでは意識的に丁寧にすることが大切です。親から子どもへ教えるようにお茶碗の持ち方、食べる時にはひじをつかないなど、所作やマナーを一緒に伝えるようにします。繰り返して遊ぶ「生活の模倣」がその子の生活のマナーになっていくのです。
(そのほかにも掃除のやり方、靴を脱いだ後のそろえ方など)
(生活を模倣する)”教えるのではなく、やっている姿をみせる”
- 茶道を取り入れている
- 配膳や手伝いをする
- 掃除をする(雑巾の絞り方、ほうきの使い方などを一緒にする)
- 物を大切にすることの目的を伝える
- 挨拶をする(友達、目上の人への挨拶の仕方を伝える)
- 遊んだあとの片づけを一緒にする
豊かな心を育む
里仁の「仁」には「思いやり」という意味があります。
では思いやりとはどういう事でしょうか。
それは「想像力」ではないでしょうか。相手はどう思うのか?
何をすれば良いのか?などを考えて行動する事が思いやりになってきます。
思いやりを実感するためには周りの友達とのケンカなどはとても良い場面です。自分の気持ちを伝え相手の気持ちを想像し、どうすればよいか考える。この一連の経験で思いやりや社会性などが育まれます。そうやってさまざまな経験を重ねることで、大切な人、信頼する人や認めてくれる人の存在に気づき、自分を好きになる気持ち(自己肯定感)が生まれ、困難にも負けない強く豊かな心に育っていきます。
自己肯定感の高い大人が周りにいることで子どもの自己肯定感も高まるので、周りの大人の意識も大切です。
- 場面ごとの言葉がけ
どうすればいいのかな?
自分で考えてみる?
お友だちはどう思うかな?
お手伝いしてくれてありがとう
大好きだよ
- ほめることより、認める言葉や感謝の言葉かけをする
子どもによってはほめられることを目的としてしまう場面があるので結果(アウトプット)を
「すごいね」とほめるのではなく経過(インプット)を「がんばってるね」と認めるようにする
- 子どもが自分を好きになるような言葉を場面ごとに見つけて声掛けをする
保育者として
保育所保育指針の「職員の資質向上に関する基本的事項」の中で、職員が一人ひとりの子どもを心から大切に思い、日ごろから子どもと心が通いあうようにすること、また子ども達同士が仲間関係を作っていけるように指導することが重要です。
子どもの保育に関する様々な知識を技能に基づく適切な判断と対応によって保育士等は子どもの気持ちを受け止め、一人ひとりの子どもが安定、安心して生活できるように保育を行います。また、子どもの保護者への子育て支援も行っていきます。
職員は、その言動が子どもあるいは保護者に大きな影響を与える存在であることから特に高い倫理性を求められます。
一人ひとりの職員が備えるべき知識、技能、判断力、対応力及び人間性は、日頃の保育における言動すべてを通して自然と表れるものです。
これらが、高い倫理観に裏付けられたものであって、初めての子どもや保護者に対する援助は十分な意味や働きを持つといえます。
以上の通り、日頃より保育士としての意識向上を心がけましょう。
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