鉄骨造3階建のまんなかには、みんなが自然と集う、広場のような空間があります。この空間を囲んで、開放感のある保育室が設置されています。地中熱などの自然エネルギーを活かし、木のぬくもりあふれる、人と環境にやさしい保育園です。
触感を育む:子どもの脳を発達させるためには、様々なものを手や足で触れる皮膚の触覚がとても大切です。里仁育舎の園舎では全員一日中裸足で過ごします。床は無垢材・無塗装のフローリング。素足で木肌を感じ、階段や手すりでも木の感触を味わうように設計。園内の手足の触れる場所には様々な質感の違う木材を使用し、僅かな木質の差を無意識に感じられるよう工夫を凝らした園舎です。
環境に優しく:園舎の地下深くから吹くここちよい風。この風は地中熱ヒートポンプを利用し、輻射熱で建物全体をじんわりと温め、1年中快適な空間を確保します。通常の空調では、寒すぎたり暑すぎたりはよくあること。しかし身体の小さな子ども達には大きな負担になります。和光市の地中熱は一年を通して約10℃〜15℃。井戸水のように夏は涼しく、冬は温かい風を年中確保する里仁育舎の空調は、子どもたちにやさしく、CO2を減らし、子どもたちが暮らす未来の地球に負担を掛けない工夫がなされているのです。
四季が移ろう地域:設立時に里仁育舎をこの下新倉に創ることを決めた理由。それは風と土の香りが感じられることでした。この下新倉地区は多くの人々が暮らす街ですが、自然の風景や田畑も存在し、四季の移ろいが感じられ、様々な農作物も作られています。幼年期の子どもの脳や心の発達に欠かせない五感(視覚・聴覚・触覚・味覚・嗅覚)を園の周囲の環境からも得ることができ、また、人々の暮らしもすぐそこにあるという、教育にこれほど適した場所は全国においても貴重な存在なのです。里仁育舎の子どもたちは大きな窓から風に揺られる大木の枝を眺めたり、雨の匂いを感じながら生活しています。